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本表の見方として、縦の?〜?は、国際機関に対する関与のあり方であり、横に示したものが、各関与の主体である。例えば、縦?の「国際機関側との積極的な誘致交渉」欄と横の「外務省」欄とがクロスする点に「UNCRD」と記入されている場合、国連地域開発センター(UNCRD)の誘致に際して、外務省が国際機関側との間で積極的な誘致交渉を行った、ということを示している。
まず、?、?の交渉についての支援である。?「国際機関側との積極的・戦略的な誘致交渉」は、国際機関を誘致するに当たり、国際機関側との頻繁な交渉やいわゆる根回し、各種便宜のオファーや誘致推進委員会の設立等を含めた誘致活動を行ったか否かを問うたものである。
これについては、外務省、当該国際機関が所掌する分野の関係省庁、誘致した地元地方公共団体がそれぞれ行っているが、国と地方で協力して行ったもの、国が前面に立って行ったもの、地方が前面に立って行ったものに分かれている。もっとも、地方が前面に立って交渉を行ったという場合であっても、国際機関の誘致の最終的な交渉権限は国が持っており、その意味においては、国が全ての誘致交渉に、濃淡の差はあれ、関与してきたことは間違いない。国と地方で協力して行ったものとしては、国連環境計画(UNEP)国際環境技術センターと世界保健機関(WHO)健康開発総合研究センター、国が前面に立って行ったものとしては、国連地域開発センター(UNCRD)と世界観光機関(WTO)アジア太平洋事務所である。表からは地方が前面に立って行ったものとしては世界食糧計画(WFP)日本事務所と国際熱帯木材機関(ITTO)ということになるが、この点については、横浜市から「国から国の誘致活動に係る情報提供がなかったため、国が行った誘致活動については承知していないので回答しなかった」旨の報告があった。なお、国連大学・国連大学高等研究所については当該項目に回答はなかった。
?「協定書の調印、特権免除等実務的な交渉(調印は当然に外務省の所掌。調印の前提としての交渉を念頭に置いている。)は、国際機関を誘致するに当たり当然に必要な実務的交渉を行ったか否かについて問うたものである。
次に?から?の財政的な支援についてである。?「trust fund(国際機関に対する信託基金)設置に対する資金拠出」については、国連地域開発センター(UNCRD)と国連環境計画(UNEP)国際環境技術センターに対して外務省が行っている。
?「国際機関への機関運営資金の補助等」は、地元で組織する国際機関支援組織等を通じない、当該国際機関への直接の財政支援について問うたものであるが、これについては国連大学・国連大学高等研究所と世界保健機関(WHO)健康開発総合研究センターに対して、それぞれ東京都と兵庫県・神戸市・地元経済界の三者共同で行っている。
?「国際機関支援組織設立のための財政支援あるいは同支援組織への補助」については、地元で組織する国際機関支援組織設立のための基本財産の供与あるいは当該支援組織の運営資金

 

 

 

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